紅葉迷走中

140文字では収まらない事を書きます

【感想&考察】シンジ君が可哀想……で終わらない!【ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q】

【序:あいさつ ~本当に?~】

お疲れ様です。紅葉紅葉です。

いつもは一日日記を書いているのですが、今日は本日地上波で公開される『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』に合わせて、昨日見たQの感想と考察を上げます。

 

正直な話、本作は世間的には微妙な評価が多いです。

そうですね。実際、シリーズ物の作品としてはダメな書き方をしている作品です。だっていきなり14年も時を飛ばされて、説明不足ですからね。庵野落ちぶれたか、と疑われてもおかしくないですね。

加えて展開も全体的に悲劇的。ただただシンジ君が責められて、心壊して、お前は何もやっても駄目だという様を見せつけてるだけ。終わり方も中途半端で、とすっきりもしない。

 

……本当に? 本当にこの作品は、ただ説明不足で視聴者を置き去りにしただけの作品だったのか?

私はこの感想に肯定するし、否定もする。この作品は全く無駄であったかと言えばそうではない、と。

 

シンジ君が可哀想……で終わらない。終わらせない。

そんな肯定的な感想、考察を述べていきます。

 

あ、ちなみに異論はお任せしますが受け付けておりません。だって他人の考えの垂れ流しです。そんなものに持論をぶつけるぐらいなら、さっさとその手の動画なり、記事なり書いて誇示してください。私はこれをもってそうしますので。

序のオチとしては、私は去年の12月にエヴァにハマってしまい、急いで設定資料や考察動画を読み漁った人間であることを伝えておきます。シンプルなお伝えとしては「Qなどの延期の期間を私は知らない」という事です。

 

【破:Qの感想 ~どうして?~】

さて、先に映画の感想を書きます。

結論からすると「続編ありき」です。これは表面的にも解りますよね。まぁ、そこから何年待たされたか、という話ですが。

 

物語の軸からして、序、破はテレビ版、旧劇場版という過去作のリメイクでした。設定の変更はありましたが、おおむね「皆の知っているエヴァ」を描いたものです。

そしてその続編。視聴者からすると未知の領域です。みんな知らない。だからこそ、14年後という突飛な設定がインパクトとなっています。そして視聴者は置き去りにされます(この状況は同じ境遇のシンジと等しく、だからシンジ君への感情移入を強制させられる構造になっていると考えています)

これって要は、新しい舞台で書きたいなぁ! というものなのかなっと。庵野監督からすると旧劇で一度完結を迎えている、第三東京市舞台の物語としてはそれ以上は無理なのかなぁと。好意的解釈ですが。

 

そして構造としては、序破急新の急なので、「続編ありき」はその通りなんですよね。実際、序って綺麗に終わっているように見えますけど、あくまで一大作戦が終わっただけですし。これと同じなんです。

ただ、ここで枷となるのが「説明不足」。考察にこの辺は預けますが、ヴィレの面々が何も説明せずに、黙るか、感情的に当たるかしかないので、視聴者も説明不足で混乱するわけです。実際、一回見た時には笑いましたからね(せめてサクラはんが説明してればなぁ……)

総じてこの辺が悪評の大きな部分だと思います。予告詐欺は知らん。ディケイドで慣れた。

 

で、ここからが本命。

上記を切り除いての残りの感想なんですけど、「シンジ君に罪を教え付ける話」、ないし「ヒーローがもし世界を壊したら、後日談」なのかなぁと。加えてなんですけど、「カヲル君の物語」であるとも。

 

今回の話って、レイを救おうと必死に頑張って救えた(とシンジは思い込んでいる)シンジ君が無自覚に世界を壊してしまった後の話なわけで。本人に自覚はないし(核爆弾のスイッチを押して爆撃した後の地をみて、お前がやったんやでと言われても罪の意識だけで自覚に程遠い)精神的には救い出せたヒーロー的な状況なので、最初の頃はイケイケな感じだったわけです。

そしてそれを否定され、実際現実も否定され、カヲル君に真実を教えてもらう――そうなればどういう思考になるかなんて解りきった事です。今度こそ世界を救おう。それで僕の罪を清算しよう、と(なのでカヲル君のやめよう、という話も無視するのです。本質的にここのシンジはカヲル君への信頼よりも、自分への信頼が勝っているわけですね)

そして、再び世界が壊れる。今度は騙されたとはいえ、自分の意志で世界を壊そうとしたのですから――シンジは自覚し、そして心が壊れる。

ヒーローが、自分の信じる正義の心に準じて、裏切られる話。

 

次点に、カヲル君の物語に関しての話。

いやまぁ、これは調べた時にびっくりしたんですけど、カヲル君って原点では登場話数、まじで少ないですねぇ!! コラボでもめっちゃフィーチャーされていたので、もっと出ていたのかと……。

そんな彼が、序から出ている時点で思うんですが、今回の一連の話ってカヲル君の物語なんだろうなぁって。

 

さて、というわけでオチですが、カヲル君、くっそ耽美で草でした。マジ艶めかしいなお前……。

 

【急:キャラ考察 ~なんで?~】

さて、考察です。と言っても自分のそれって、好意的な解釈がメインなので異論が多いのは当然とします。

正直、シンジ君への同情が意見として多いので、本当に他の人が悪いのかって思うと、うーんな感じだったんですよね。なんというか、そこまで皆も悪くなくない? って

いやまぁ、自分がシンジ君なら最悪なんですけどね……。

 

・レイ

シンジが救えなかったレイ。自分の考察では初号機の中にまだいるという考えです。

厳密には、ユイの代わりにダイレクトエントリーしているという考えです。これに関しては、シンジとのシンクロ率が0%なこと(リリスの魂なので合うわけがない)、アスカのバカシンジという発言で反応を示した点(レイにとってはアスカは味方のはずなので)、あと根拠として薄いですがバカシンジに反応した初号機の瞳が赤色だった事です(若干こじつけ)

自分としての認識は、彼女は所謂エコーみたいな形で、存在するけど存在しないような。シンジの代わりに人から逸脱した形になったのかなぁと。

あとこれはQに限った事ではないんですが、序、破、でレイの幻像を見えたような演出があったと思うのですが、あれもあいまって上位存在として世界に不干渉で映るだけになってるのかなぁと(鎧武の金のリンゴを食べた後の過去への干渉が上手くできない描写に近しい)

ある意味で救えなかったシンジの傷であり、シンジの存在を保たせてくれる存在なのだと考える。

 

アヤナミ レイ(仮称)

シンジの知らないレイ。初期のレイよりもさらに機械的で、かつ幼い。

個人的にシンジはレイの虚像をアヤナミレイに反映しているだけなのだけど、彼女も意志という物は存在するのが解る。

彼女の存在意義に関しては計画のコマであることですが、シンジとの出会いを経て系価格を揺るがす存在になり得るのでは、と考えています。上記の一件もあり、自分はループ説を推している要因の一人です(レイが死んでアヤナミレイが動き出す、のではなく、アヤナミレイがシンジと出会い→ループ後でレイとして活動する、なのではないかと)

 

・アスカ

シンジへの対応が厳しくなっていると考えるけど、あの世界の環境がヴィレメンバーの精神に余裕を殺していっているので、単純にシンジへの配慮が欠如していただけな気がするんですよね。もしくは精神だけ大人になってシンジよりも優位性を得たから格下への認識なのかもしれない(だからガキシンジ)

でも彼への愛しさは確実あるんですよね。というかわざわざ会いに来ている時点で……自分としては彼女が既存メンバーの中で一番シンジに近い人物だと思います。

 

・ミサト

一番非難されている印象があるんですけど、ごめんなさい、たぶん一番共感を覚えている人です。

というのも、ミサトさんの態度って正直大人としては最低なんですけど、仮にも一緒に生活し保護者として接し、だからこそ彼のレイを救う意志を尊重した人間なので、彼の復活を喜びたい気持ちを押し殺しているようにしか見えないんですよね。
実際、彼女は上記の命令で間接的に失敗をして世界の崩壊の一員なわけですよ。世界を救えると思ったら世界が滅びかけた、という重責に耐えるとなれば責任を以て世界を救おうとするのです。私には、彼女とシンジが重なって見えるのです。

彼女がシンジの復活で最初に疑ったのも、レイが生きている発言に悲痛に否定するのも、シンジの逃亡を見逃したのも……ただ、憎まれるだけの大人には見えません。

 

・カヲル

上でも書きましたけど、私はループ説を推しています。

元々繰り返しの話と庵野監督が語っているのもありますが、ピアノの連弾の下りで同じことを何度も繰り返し、自分のいいなというものを探すという話があり、シンジにとって幸せなエンドを求めてカヲル君がループしていっている感じがあります。

でもカヲル君、自己犠牲の精神があるからなぁ……

ちなみに特報もあって、僕はシンではループしてカヲル君が最後の使徒としてシンジ君に討たれて終わる気がするんですよねぇ(だからビターエンドと言われていると)

 

【新:おわりに ~それでも~】

正直な話、この中の話は煮込みが薄いんです。そりゃリアルタイムでずっと見てきた人の方が色んな考えが浮かんでは反映してきたはずなので。

なので、別に異論があっていいんです。あとはそれを人に押し付けない事。今回の僕のも、言ってしまえばこういう考えもあるけどどうかな? という意見なんです。

考察なんて外してなんぼなんですよ。当たっても得られるのは少しの優越感なだけで、お金も手に入りませんから。それなら外して、「やっぱこの監督は自分の考えなんて遥かに超えてくれるよなぁ!」と喜ぶ方が気持ちが良いです。

シンエヴァも延期はしていますが、完成はしています。答えが見つかる事を、私は祈ります。

 

おやすみ。